はじめに:笑顔で始まった“最後の旅”

「ばあばの最期は、大好きだった海へ還してあげたい」

そう語ってくださったのは、ご家族総出で八代港に集まったあるご家族。
晴れ渡る空の下、クルーザーに乗り込む孫たちは、まるで遠足に出かけるかのように目を輝かせていました。

しかし、その日が“特別な別れの日”であることを、彼らは少しずつ知っていくことになります──。


八代港から出航|広がる八代海と静かな船旅

午前10時、八代港を出航。
穏やかな八代海をゆっくりと進むクルーザーの上では、三ツ島、小築島、大築島の間をぬけながら、美しい景色が家族を包みます。

船に揺られながら、初めて海に出た子供たちは大はしゃぎ。
「おばあちゃん、どこに行くの?」と笑う声も聞こえました。


汽笛と黙祷──セレモニーの始まり

やがて、目的の海域へ到着。
静けさの中、汽笛が三度、ゆっくりと鳴らされ、全員で黙祷を捧げます。

続いて、献水、献酒、そして献花──
ご家族一人ひとりが、祖母との思い出を胸に、手を合わせます。

船上の空気は一転。
先ほどまで笑っていた孫のひとりが、そっと祖母の遺骨を見つめ、こうつぶやきました。

「ばあば、大好きだった海に行けてよかったね」


最後に、感謝の言葉を

ご家族全員が一人ずつ、祖母との思い出を語ってくださいました。

「料理が上手だった」「いつも笑顔だった」「本当は寂しかったと思う」
涙をこらえながらも、祖母への感謝の言葉が次々にあふれます。

最後に、最も年下の孫が、泣きながら大きな声で叫びました。

「ばあば、ありがとうー!!」

その声に、周囲の大人たちも堪えきれず涙ぐみます。
それは、家族の愛と感謝がひとつになる瞬間でした。


海に還るその時、船は三度旋回する

合唱による礼拝の後、クルーザーは祖母の眠る海を中心に三度、円を描くように旋回しました。
八代海に響く波音の中、ご家族はそれぞれの想いを胸に、静かに空を見上げていました。

この儀式は、ただの“別れ”ではなく、“送り出す”という行為そのものの大切さを教えてくれます。


終わりに:故郷の海に、心からの「ありがとう」を

人が最期に還る場所として、海ほど自然で、やさしく、雄大な場所はないかもしれません。

八代の海は、時に優しく、時に力強く、こうして多くの人々の想いを受け止めています。

あなたも、大切な人との最期の旅を、静かで美しい八代海で過ごしてみませんか?


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